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4.3全体システム

4.3.1試験項目及び試験要領
(1)エンジン出力試験
これまでの要素技術の開発に関しては、燃焼時のヒータヘの熱吸収量は吸熱量として評価してきたが、ここではエンジン出力として評価する。
試験は着火後に80%負荷に上昇させ90%〜100%〜110%〜115%及び目標の20kw出力する入力を投入する方法で運転する。なお、CGR比は3とする。また、残酸素は6%狙いで運転を開始するが発生するCO濃度を見ながら2〜3%まで低下させる。なお、本エンジンの適正回転数が明白でないため1500と1800rpmの両方についてデータを採取する。試験としては入力条件を時間的に変化させない定常試験と負荷応答性試験の両方を実施する。負荷応答性試験要領を図4-3-2に示す。また、投入燃料量に対する投入炭酸ガス、過誤蒸気及び酸素量を図4.3-3に示す。
(2)凝縮・排出組合せ試験
模擬ガスによる凝縮試験では残酸素を精度よく流量制御を行うことが非常に困難なため、ここでは酸素を0とした組合せ運転例を示し問題ないことを明らかにする。
(3)負荷制御試験
本試験は全体システムとして、エンジン負荷の追随性を確認する試験と3.2の項で述べた負荷制御装置の応答性確認を行うもので将来、実船のシステムで採用する過負荷時の制御負荷抜きの制御性結果を確認し設計データとして蓄積する事を目的としている。
4.3.2試験装置
これまで個々に製作し試験してきた試験装置を接続し全体試験装置とした。全体システムの系統図を図43-1に示す。同図では高圧燃焼器にスターリングエンジンを装着し、燃焼器から排出される排ガスの一部を凝縮系に導入できるようにしている。また、凝縮器で液化された凝縮水と凝縮炭酸ガスはそれぞれ専用ポンプにより高圧排出できるようにしている。本全体システム試験装置を使用し下記の試験を実施する。
本試験装置においては、これまで開発してきた高圧燃焼器と燃焼室に高圧ヒータ(3.1.4参照)を組込み、機械加工により製作したコンプレッサーフロックに固定した。機械加工したコンプレッサーブロックは、3.1.3の項で記述したように高圧ガス取締規則上、5MPaの設計である。また、通常コンプレッサーフロックは鋳物加工であるため、線図効率に大きく影響するヘリウム通路が短く且つ、滑らかに仕上げられているが、今回は法律上、耐熱鋼にする事が求められたため、線図係数の低下は覚悟の上で機械加工に設計変更したものを使用している。更に、このコンプレッサーブロックにスターリングエンジンを装着している。写真4.3-1にはコンプレッサーブロックヘの高圧ヒータ装着状況、写真4.3-2にスターリングエンジンの装着している状態、写真4.3-3にスターリングエンジン制御盤また、負荷調整関係では、写真4.3-4には負荷調整盤、写真4.3-5には負荷器及び写真4.3-6には試験負荷及び写真4.3-7には制御ユニットを示す。

 

 

 

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